2021/01/30(土)チーム

田中将大選手の入団記者会見を行いました

田中将大選手 入団会見

三木谷浩史 代表取締役会長 オーナー 挨拶

田中将大選手が今シーズンより東北楽天ゴールデンイーグルスに復帰してくれることとなりました。
本当にうれしいニュースかなと思っております。
今コロナ禍で日本、世界がいろいろ苦しい中、あえて日本に復帰し、あえて東北楽天ゴールデンイーグルスに帰ってきてくれるということで、田中将大選手の男気、心意気に、本当に感謝しております。

過去の経緯をお話すると、2007年に東北楽天イーグルスに入団し、7年にわたって絶対的エースとしてチームを引っ張ってくれました。2013年には世界記録となる無傷の24連勝。皆さんの記憶にもとどまっているかと思いますが、球団創設以来、初の日本一に導いてくれました。
その前には、野村克也監督、星野仙一監督という二人の偉大な監督と信頼関係を築いて、チーム全体を引っ張ってくれたのみならず、震災で苦しんでいる東北、日本の大きな元気の源になったのではないでしょうか。
その後はニューヨーク・ヤンキースに行かれました。
もう少し日本でやってほしかったのですが、我々としてはそこまでやってくれたエースを快く送り出そういうことで。
世界でもヤンキースのエースという形で大活躍をし、まだまだ大リーグで通用するという中、思い切った判断をしてくれたのではないかと思っております。
本当に天国のノムさん(野村克也監督)と仙さん(星野仙一監督)も喜んでくれているのではないかなと、個人的には思っております。

我々、東北楽天ゴールデンイーグルスは去年は4位という残念な結果に終わっております。今年は石井一久さんがGM兼監督となり、ここに田中選手が入ることで力強いラインナップの投手陣となり、期待できるシーズンになるのではないかと思っております。
奇しくも今年は東北を襲った大震災から10年という年でもあります。
田中選手のピッチングが、東北、そして、日本、世界を元気にしてくれる。炎の投球を見せてくれることを期待をしております。

石井一久 ゼネラルマネージャー兼監督 挨拶

今回田中選手と入団会見を開くことができ、個人的にはすごくホッとしています。
チームとしては今年は震災から10年という大事なシーズンを迎える中で、田中選手が導かれるように、もう一度楽天生命パーク宮城のマウンドに立ってくれる、そういう運命を背負った特別な選手なのかなと感じています。

大きい話、小さい話、細かい話、いろいろなコミュニケーションをとって田中選手と気持ちを共有して、この(入団会見の)日を迎えました。
田中選手は特別な選手ですが、しっかりパフォーマンスを出してこそ野球選手だと思っていますので、特別扱いはしないと決めています。

さて、会見が始まる前は、「軽くフワッとした話をしてくださいよ」と言われていましたが、このような場でそんな話をできるはずはないですね。スポットライトの逆光で、記者の皆さんの顔が見えないので安心してくだらない話ができます。

とにかく田中選手には本当に頑張っていただきたい。そして今年は絶対勝つという気持ちで、みんなで一丸となってやっていきますので、田中選手をよろしくお願いします。
(記事の)閲覧数を伸ばすために、田中選手の悪口を書くのはやめてあげてくださいね。

田中将大選手 挨拶

この度、楽天イーグルスに入団することになりました。
7年前、メジャーリーグに挑戦するときには快く送り出してくれて、また暖かく迎え入れてくれた三木谷オーナーには感謝しかありません。ありがとうございます。

立花社長には毎年、毎オフ、仙台の施設や設備を好きなように使わせていただき、温かいサポートをしていただきました。裏では口の悪い社長ですけれども、本当に感謝しています。ありがとうございます。
石井GM兼監督には、今回本当に僕の気持ちにも寄り添っていただいて、「田中選手が必要だ」と言っていただけて、選手としてありがたい評価をしていただいたと思っています。ありがとうございます。

今シーズンは震災から10年という年です。FAとなり、自分がチームを選べる立場になったとき、この10年という数字は、自分にとって意味のあるタイミングではないかと思い、今回このような決断に至りました。

一問一答

記者:
8年ぶりの楽天イーグルス復帰という事になりましたが、率直に今の心境を教えてください。
田中将大選手:
とてもワクワクしています。また日本の野球ファンの皆さまの前で、マウンドに上がって投げられるということにワクワクが抑えられていない状態です。そして7年離れていたので、成長した姿というのをお見せできたらいいなと思います。
記者:
田中選手をチームに迎え入れることの意義についてどのようにお考えでしょうか。
石井監督:
まずは自分の調整をしっかり、いろいろな事をアジャストしていかなければいけないと思います。7年間アメリカでやってきたことを、ただ自分の事をやっていただくだけでも、周りの選手は見ていますので、その背中だけでも十分かなと思っています。それで若い選手もしっかり付いてきてくれると思っています。
記者:
経営者の立場として、田中選手を獲得されたことについて、お聞かせください。
立花社長:
まず田中選手が、最終的に入団を決意してくれたことに感謝したいと思います。東北、仙台のファンの方々、全国のファンの方々の声が届いたのかなと思っております。
ただ、スポーツ界は正直を申し上げまして、非常に厳しい状態です。おそらく今年もかなり厳しい状態でスタートするかと思います。
石井GMと僕とで相談をし、三木谷オーナーに相談に上がったわけですが、ためらうことなく「絶対獲れ」という言葉をいただきました。今この決断はなかなかできる環境にはなく、本当に厳しい判断だったと思います。今回はいろいろなご縁を個人的には感じています。
なんとか優勝をして、ファンの皆さまに恩返しをしたいなと思っております。話が二転三転して恐縮ですが、とにかく、皆さんすごく嬉しがっていましたので、田中選手も気持ちよく来ていただけたのではないかと思います。
記者:
楽天イーグルスというチームを選んだ理由をお聞かせください。
田中将大選手:
正直に申しますと、フリーエージェントになったタイミングでは、ヤンキースと再契約をして、またプレーしたいという気持ちがありました。しかし、かなり早い段階から、代理人を通じての話を聞いている中で、(ヤンキースとは)別々の道を歩んでいかなければいけないと感じていましたので、それからは様々なことを考えてきました。
日本球界復帰も含めて、今まで考えた事がないくらい考えて、悩んで悩んで悩みぬきましたが、やはり自分がどのような野球をしたいのか、どのような環境の中で野球をしたいのかというのが1番でしたので、(楽天イーグルス復帰を)決断しました。
これから、アメリカでは、実はどんなオファーがあったという話が出てくると思います。この厳しいコロナ禍の中で、世界中が厳しいこの状況の中でも、アメリカで7年間プレーしたことをすごく評価してくださり、大きなオファーもありました。
ですが、その中で、自分にとっては、この楽天イーグルスでプレーをして、また日本の方々の前で投げることを上回るものは、最後までなかったので、このような決断にいたりました。
記者:
7年前FAで大リーグへ移籍した時に、いつかは楽天イーグルスに戻ってくるという予感はありましたか。
田中将大選手:
このことについて、何か少しでもコメントすると、誤解を招いたり、話題が一人歩きすることがいやでしたので、(これまで)頑なに答えてきませんでした。
大前提として、楽天イーグルスからオファーをいただかなければ、自分が戻りたくても戻れませんが、また必ず日本に戻ってくる、キャリアの晩年ではなくて、よいタイミングで楽天イーグルスで投げたいという思いはありました。
記者:
田中選手が移籍してからこれまで18番を空けていたのは、田中選手を待っていたという意思の現れでしょうか。
三木谷オーナー:
そうですね。
野球界にはいろいろなルールがあるので、我々ができることは限られているのですが、楽天イーグルスのオーナーとしてというより、球団全体がというより、東北のファンがこの時をずっと待っていたと思います。
記者:
改めて楽天イーグルスの背番号18を付けてプレーをすることへの心境をお聞かせください。
田中将大選手:
18番を付けてプロ野球選手としてキャリアをスタートしたわけですし思い入れはあります。18番はエースナンバーというイメージが自分の中に強くありますので、結果で、姿で、示していけたらと思います。
記者:
今回2年契約を結んだ経緯をお聞かせください。
田中将大選手:
2年契約にはなっていますが、1年が終わった段階で、球団といろいろなお話をさせていただく機会を設けていただいています。自分の中に、まだアメリカでやり残したことがあるという思いがあり、そういう契約、オプションを捨てない契約にさせていただきました。
ただ、決して腰掛けというつもりはありません。本気で日本一を獲りにいきたい、楽天イーグルスでまたプレーをしたいと思っての決断です。生半可な気持ちではどの世界でも成功することはできませんので、まずは今シーズン全力で闘いたいと思います。
記者:
今年東京オリンピックが開催されることへの意気込みをお聞かせください。
田中将大選手:
オリンピックは2020年に開催される予定でしたので、自分は出られない立場でしたが、延期となり、今年日本球界に戻ってきたことで、出場するチャンスがあるということですので、(代表に)選ばれたら断る理由はありません。心から出たいと思っています。
前回北京オリンピックに出場したときは悔しい思いをしていますし、野球がオリンピック競技ではなくなってしまうという状況、自国開催であるということからも、金メダルを獲りたいと思っています。
記者:
チームに合流するまで、どのようなトレーニングをされますか。
田中将大選手:
これから、ボールにしても、マウンドにしてもアジャストしていかないといけない部分がたくさんあります。いろいろなことを想定しながら、練習をしていきたいと思っています。
記者:
今年は東日本大震災10年です。ファンの方にどのような姿を見てほしいですか。
田中将大選手:
今でも(ファンの方と)一緒になって頑張りたいという気持ちは変わらずあります。今まで以上に近くにいられるようになり、また自分にできることがあるかもしれませんので、できる限り協力していきたい、みなさんと一緒に頑張っていたいと思います。
まずは、球場のマウンドで、良い姿を見ていただけるように、変わらず努力を続けていかなければいけないと思います。