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プロ野球東北楽天を運営する楽天野球団の立花陽三社長が20日、河北新報社のリモート取材に応じ、新型コロナウイルス感染拡大で揺れた今年の球団経営を振り返った。無観客試合や入場制限などにより、収入の柱のチケット販売は激減し、大きな赤字が見込まれている。来季に向け、デジタルコンテンツの充実などに意欲を見せた。(聞き手はスポーツ部・関俊哉、佐藤理史)
−新型コロナは経営を直撃した。
「観客数は昨季約182万人だったのが今季は約23万人。非常に厳しい数字だ。球界全体でも昨季の約2653万人が約482万人だった。プロスポーツはチケット収入、球場でのグッズ販売や飲食がビジネスの根幹。そこが崩れたのはビッグインパクトだった」
「昨年は約145億円の売り上げがあったが、今年は約80億円まで減少した。ここ数年、ほぼ収支は均衡していたものの、今年は数十億円の赤字となりそうだ。チケット収入は昨年47億円あったのが12億円ぐらいになる。チケット収入が75%の減少で、飲食やグッズ販売も70〜80%の減少。スポンサー収入は5%減にとどめることができた」
−来季の選手年俸への影響は。
「今季の年俸は昨季の180万人の観客数をベースにつくった。来季は試合数などの環境面で不確定要素が多い。しっかりと選手とコミュニケーションを取って理解してもらいたい。球団の収支も選手に見てもらいたい」
「選手を守ることも必要だが、野球団、野球、プロスポーツを守るのも非常に重要なファクターだ。新型コロナが続くと、経営が厳しくなる会社も出てくるかもしれないが、それではいけない。しっかりとした経営をしていくことが、プロ野球を支えていくことだと考える」
−来季の経営課題は。
「安心安全の対策、環境づくりが重要と考える。収容人数に対する100%の動員ができるような環境づくりを12球団で行うのが大事だ。新型コロナの影響も考え、家でも楽しめるデジタルコンテンツの充実も図りたい」
「(動画投稿サイトの)ユーチューブや(写真共有アプリの)インスタグラムなどで、選手が踊ったり、料理を作ったり、ゴルフをしたり。選手は一つのコンテンツ。私生活を含めて面白いものをつくり、それがファンに響いて、多くのライトファンやコアファンも楽しんでくれるようにしたい。そうは言っても、失った売り上げのうち、何億円がデジタル部門で返ってくるのかとなると、限られた数字になると思う。そこは何とかしていきたい」
立花陽三(たちばな・ようぞう) 慶大卒。メリルリンチ日本証券などを経て、2012年8月に楽天野球団社長就任。20年7月からオーナー代行を兼務。17年10月からはサッカーJ1神戸の社長も兼ねる。49歳。東京都出身。
2020年11月21日土曜日