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プロ野球東北楽天にドラフト1位指名された早大4年の早川隆久投手(22)が、4球団競合の抽選で東北楽天が交渉権を獲得したことに運命を感じている。小学6年の時、古里の千葉で東日本大震災に遭った。被災地の球団が2013年に日本一に輝いた姿を見て勇気づけられたという。「(被災し)思うように生活できない人たちは、まだまだいる。震災を経験した身として、自分も野球で東北に勇気を届けたい」と意気込む。
早川は千葉県横芝光町出身。太平洋に面した人口約2万3000の町だ。震災当日の11年3月11日、間近に迫った小学校の卒業式の準備などで教室にいた早川は、震度5弱の大きな揺れを感じた。自宅は海岸沿い。津波警報が出ていたため自宅に戻れず、避難所でもあった学校にそのまま残り、一夜を明かした。
翌日帰宅すると「悲惨な光景で、もん絶する状況だった」。港近くの防波堤が壊れ、自宅の農機具は水没していた。高台にあった家屋が床上浸水で済んだのは不幸中の幸いだった。「千葉はまだ大丈夫な方だろう。東北はもっとすごいことになっている」と子どもながらに思ったという。
地元の中学校の野球部に入った早川は、プレーで被災地を励ます東北楽天に心を引かれた。今でも鮮明に覚えているのが、13年の日本シリーズ第7戦。先発美馬学(現ロッテ)、2番手則本昂大の両投手が八回まで巨人打線を封じ、九回は前日に160球を投げたエース田中将大投手(現ヤンキース)が締めくくった。「誰かのために頑張ろうという気持ちがあると、力を発揮できると思った試合だった」と振り返る。
入団が正式に決まれば、震災10年となる21年にプロデビューを迎える。「自分に使命があって、イーグルスに指名してもらったと感じている」。運命に導かれた左腕は、東北で躍動する日を待ち望んでいる。
2020年11月12日木曜日