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23日に引退会見を開いたプロ野球巨人の岩隈久志投手は、東日本大震災で傷ついた岩手県宮古市の草野球チームのゼネラルマネジャー(GM)を務め、岩手県沿岸各地でも支援活動を続けてきた。関係者からは引退を惜しむとともに、交流の継続を期待する声が上がった。
岩隈投手は米大リーグ、マリナーズ時代の2014年、第三セクター三陸鉄道(宮古市)が設立した軟式野球チーム「三陸鉄道キットDreams」のGMに就任した。
東北楽天に在籍した経緯から「復興の力になりたい」と引き受けた。同年、津波で線路が寸断された三鉄が全線で運行を再開。初仕事は宮古市や野田村の視察だった。
「草野球日本一」を目標に掲げるチームは三鉄社員や沿線市町村職員ら約30人で構成する。主将の宮古市職員中村尚道さん(41)は「宮古に来るたび、きさくな笑顔でチームに一体感を与えてくれた」と話す。
震災後に完成した本拠地の宮古市田老野球場では17、18年、少年野球教室を開き、岩隈投手がコーチを務めた。中村さんは「50人の児童一人一人に声を掛ける姿に被災地への思いの強さを感じた」と振り返る。
チームのメンバーで、津波で被災した同市田老地区の会社員玉沢邦彦さん(51)は「大リーグのマウンドで躍動する姿が励みになった。『みんなで頑張ろう』という思いが伝わってきた」と語った。
岩隈投手は16年、台風10号豪雨で甚大な被害を受けた岩泉町の岩泉乳業を視察し、復旧作業に当たる従業員のヘルメットや服にサインをして励ました。山下欽也社長は「『必ず復活できます。思いは通じるので頑張って』と力強い言葉を掛けてもらった」と感謝する。
三鉄の中村一郎社長は「引退は残念だが、感謝の思いが強い。今後もGMとして交流を続けてもらえたらうれしい」と期待する。
2020年10月24日土曜日