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復活の1軍マウンドへ、重要な第一関門を突破した。東北楽天と支配下選手の契約を交わした由規が29日、仙台市の楽天生命パーク宮城で記者会見を開いた。「やっとスタートラインに立てた。ここからが勝負だと思っている」。黒のネクタイとスーツを着用し、言葉を丁寧に選んで語る姿には、不退転の覚悟がにじんだ。
由規は先週半ば、今季中の支配下契約にこだわっていなかった石井ゼネラルマネジャー(GM)に「来年でもいいんじゃないか」と言われた。その場では回答を保留したが、思いは変わらなかった。「(登録期限の)31日までにとの目標でやってきた。今年勝負したい。優勝争いに自分も食い込みたい」。26日に意思を伝え、契約が決まった。
昨年11月に育成選手として契約。「1年間で投げられるのか不安だった」と当時の心境を振り返る。古傷の右肩をかばいながら、キャンプでも黙々と地味なネットスローを繰り返した。5月のイースタン・リーグ西武戦で約1年ぶりの実戦登板。以降、7試合12回を投げ1勝1セーブ、防御率0.00で14三振を奪った。
「(全体的に)細かい制球、球威にはまだ満足していない」と語る一方、スライダーには一定の手応えをつかんでいる。「試行錯誤していく中で徐々に良くなってきた」。石井GMもキレ、角度がつき、勝負できるとみる。今後は1軍での先発を目指し、中6日で長い回を投げていく方針だ。
ヤクルトを戦力外となった由規に救いの手を差し伸べた石井GM。だが、今後は「地元枠とかは関係ない。支配下選手として生き残れるかは(育成よりも)厳しい判断になる」。由規は「今までもそうだが、1年1年が勝負。甘えはない」と強調した。再起を懸けた挑戦の第二章が始まった。
(狭間優作)
2019年07月30日火曜日