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6月に入り、交流戦真っただ中にあります。選手に疲労の色が見え始める頃です。
ブラッシュ外野手が4番に、ルーキー4人がスタメンに名を連ねるなど打順に変更が見られる中で、開幕から不動なのが3番浅村栄斗内野手です。
浅村の試合前の打撃練習は圧巻です。ものすごい打球を連発します。打撃練習を終えてバッティングケージから出てくると肩で息をしながらゆっくり歩き、苦しそうな表情を浮かべるのがいつもの光景。
そのさまは400メートルを全力で走り切った後のようにも映ります。それだけ力強く振っているということか、と浅村に尋ねると「いろいろ考えながら打っている。適当に打つのとは疲れ方が違うと思う」と多くは語りませんでした。
小谷野打撃コーチは「彼の練習は本当にすごい。手を抜いたスイングを一切しない。1球1球に対し体全身を使って振っているし、全スイングに強い意識を感じる」ようです。練習でのスイングを見ただけで浅村が何を意識しているのかを感じ取れるということでした。
「全力=フルスイング」ではなく、体の細部までに意識を張り巡らせながら全身の力を使ってバットを振ることが浅村のすごみ。体力が消耗するのも一振り一振りと向き合っている証しなのでしょう。
日本における資本主義の父、渋沢栄一は「自分の役割を決まりきった形でこなすだけなら『お決まり通り』。『こうしたい、こうなったらこうすれば』と理想や思いを付け加えて実行する」ことが大切だと語りました。
一つ一つに意味が込められている浅村の一振りは、渋沢氏もうならせるのではないでしょうか。私も日々の仕事に対する意識をより高めねばと、一社会人として頭が下がる思いを抱かずにはいられません。
(菅生翔平/東北放送アナウンサー)
2019年06月19日水曜日